宅建試験勉強 建築基準法の全体像・用語の定義・適用除外・単体規定・集団規定等

建築基準法上の用語の定義・適用除外・単体規定・集団規定・建築物の敷地と道路の関係・建築確認・建築協定 法令上の制限テキスト

宅建士合格を目指す仲間の助けになる 法令上の制限 を解りやすくまとめたテキスト

建築基準法の全体像・用語の定義・適用除外・単体規定・集団規定 について


法令上の制限

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建築基準法 3

建築基準法 ~建築の最低基準を定めた法律~

建築基準法の 全体像

建築基準法の目的は 建築物に規制を加えることで 国民の生命・健康・財産を守ること

建築基準法の定めは 単体規定 ・ 集団規定 に分けられる

・ 単体規定とは 日本全国どこでも適用される

・ 集団規定とは 原則として都市計画区域 ・ 準都市計画区域等の中だけで適用される

これらの規定は きちんと守ってもらうため あらかじめ建築確認を受けてもらう

さらに 建築協定というものがあり 地域の住民同士による建築規則のこと


建築基準法上の用語の定義

1、建築 : 建築物を新築・増築・改築・移転すること

2、大規模の修繕・模様替え : 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕・模様替え

3、主要構造部 : 壁・柱・床・はり・階段・屋根

4、建築主事 : 建築物の建築等の確認を行う都道府県等の職員

5、特定行政庁 : 建築主事のいる市町村の長 都道府県の知事

6、建築主 : 建築物に関する工事の請負契約の注文者等

7、工事施工者 : 工事請負人等

8、建築審査会 : 建築主事を置く 市町村と都道府県に設置

・ 特定行政庁が許可を与える場合の同意 審査請求に対する裁決等を行う

9、建築面積 : 建築物の外壁 またはこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積

・ 延べ面積 : 建築物の各階の床面積の合計面積

10、建築物の高さ・幹高 : 高さとは 地面から屋根の頂点まで ・ 幹高とは 地面から屋根の幹の先まで

建築物の高さ・幹高 法令上の制限


建築基準法の適用除外(3条)

文化財 等

昔からある重要文化財などの 建築物には建築基準法は適用除外される

1、文化財保護法によって 国宝・重要文化財等として 指定または仮指定された建築物

2、1の建築物の原形を再現する建築物で 特定行政庁が建築審査会の同意を得て その原形の再現がやむを得ないと認めたもの 等


既存不適格建築物 (きそんふてきかくけんちくぶつ)

既に立っている建築物も 建築基準法は適用除外される

法および 法に基づく命令・条例の

1、施行の際に現に存する建築物・敷地

2、適用の際に現に存する建築物・敷地

3、施行または適用の際 現に建築等の工事中の建築物

ただし その後 建て替えや増改築等を行う場合は 新しい規定に従うことになる



単体規定 ~全国どこでも守る基準~

建築物の構造

1、構造耐力 : 建築物は 自重・地震などに対して安全な構造のものとして建築物の区分に応じ

安全上必要な構造方法に関して一定の技術的基準に適合するものでなければならないが

a、高さが60mを超える建築物

b、高さが60m以下の建築物で

一定の規模のものについては 一定の構造計画によって安全性を確かめること


2、大規模建築物の主要構造物 (床・屋根・階段を除く) : 地階を除く4階以上、高さ16m超、

倉庫、 自動車車庫、 自動車修理工場等で 高さ13m超 の いずれかに該当する建築物

(原則として 一定の技術的基準に適合するもので 国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものなど)


3、防火 : 耐火 ・ 準耐火建築物以外の建築物で

延べ面積が1000m2を超える建築物は 防火壁・防火床

各区画の床面積を1000m2以内に有効に区画する


4、居室の採光換気 : 住宅等の居室には 床面積に対して一定の割合

(住宅の居室は1/7)以上の採光のための窓 その他の開口部を設置する。

居室に設置する換気のための開口部の面積は 床面積に対して 原則1/20以上の割合にする


5、石綿等の飛散等に対する衛生上の処置 : 建築物は

石綿その他の物質の建築材料からの飛散・発散による

衛生上の支障がないよう建築材料に 石綿等を添加してはならない 等


6、地階における住宅等の居室 : 住宅の居室、学校の教室、病院の病室

寄宿舎の寝室で 地階に設けるものは 壁・床の防湿の処置等の事項について

衛生上必要な一定の技術的基準に適合するものにする


7、中高層建築物 : 高さ20mを超える建築物には原則 有効に避雷設備を設置

高さ31mを超える建築物には原則 非常用の昇降機(エレベーター)を設置する



集団規定 ~都市計画区域などで守る基準~

集団規定とは(41条)

集団規定は 市街地における環境を守り安全を維持するために 建築に関して規制を課すもの。

原則として都市計画区域 ・ 準都市計画区域内等で適用される。

それ以外の区域内でも 都道府県知事が指定する区域内においては適用される


用途規制(48条)

用途規制とは それぞれの用途地域にマッチした建築物を建ててもらうために

どの地域で どんな用途・利用目的の建築物を造ることができるか 具体的に定めたもの。


a、用途制限の内容

学習するコツ 1、イメージする 2、特徴的なものに注目する 3、共通のものをまとめる

1、イメージする(建築物と用途地域をセットにして考える)

ベット数が20床以上が病院と 19床以下が診療所(医院やクリニック)

病院は 低層住居専用地域・田園住居地域と工業地域・工業専用地域では 自由に建築できない。

このように 病院という建築物のイメージと 各用途地域のイメージを重ね合わせて考えるとスムーズに理解できる

2、特徴的なものに注目する

神社 保育所 診療所 巡査派出所などは すべての用途地域で造ることができる。

逆に ダメなものから覚えていくと良いでしょう

3、共通のものをまとめる

共通のもの 病院と大学は同じ規制ですので まとめて覚えれば良いでしょう


b、用途制限に関する留意事項

1、例外的な建築許可(48条)

特定行政庁の許可があれば 禁止されている用途でも建築できる

2、処理施設等の建築(51条)

都市計画地域内では 卸売市場 火葬場 ゴミ焼却場等の処理施設は都市計画において その敷地の位置が決定しているものでなければ 原則として新築・増築をすることはできない

3、建築物の敷地が用途地域の内外にわたる場合(91条)

建築物の敷地が規制の異なる 複数の地域にまたがる場合には原則 過半が属する敷地の規則に従うこと


建築物の敷地と道路の関係

建築基準法上の道路(42条)

原則 建築基準法上の道路と認められるためには 道路幅は4m以上必要。

2項道路といい幅員4m未満の道路でも 道路の定義に該当する場合は認められる。


42条2項に該当する道路(2項道路)とは

道路の中心から水平距離2mの線が その道路と敷地との境界線となる。これをセットバックと言う。


接道義務と建築制限

接道義務(43条)

建築物を建てる敷地は原則 道路に2m以上の幅で接しなければなりません。

例外として避難という観点から 敷地の周囲に広い空地を有する建築物

その他の一定基準に適合する建築物で 特定行政庁が交通上、安全上、防火上、衛生上

支障がないと認めて 建築審査会の同意を得て許可したものには 接道義務は適用されない

なお 地方公共団体は 延べ面積が1000m2超の大規模な建築物など

一定の建築物の敷地が接する道路の幅については 条例で必要な制限を付加できる


道路内の建築制限(44条)

道路は原則 道路内に建物などを造れない。

例外は 地盤面下に建築するもの(地下街など)、公衆便所、巡査派出所、公益上必要な建築物、公共用歩廊(アーケード)など 建築審査会の同意や特定行政庁の許可したもの


私道の変更・廃止の制限(45条)

私道の変更や廃止によって接道義務違反となる場合には 特定行政庁はこれらの禁止や制限ができる


壁面線の指定・制限(46・47条)

建築物などの位置をキレイにそろえる目的で壁面線の指定が行われる。

その指定の場合は 建築物の壁またはこれに代わる柱や高さ2mを超える門・塀は 壁面線を超えて造ってはいけない


建蔽率

建蔽率とは 建築物の建築面積の 敷地面積に占める割合のこと。


建築面積 / 敷地面積  建蔽率

建蔽率によって 敷地内の空き地の割合が決まる

建蔽率 法令上の制限


容積率

容積率とは 建築物の延べ面積の 敷地面積に対する割合のこと。


延べ面積 / 敷地面積  容積率

容積率が大きければ 大きな建物を造ることができ 土地の利用度が高まる

容積率 法令上の制限


敷地面積の最低限度

すべての用途地域では 必要に応じて都市計画によって 200m2を超えない範囲内で 敷地面積の最低限度を定められる


低層住居専用地域等内での規制

建築物の絶対的高さの制限(55条)

低層住居専用地域や田園住居専用地域内では 高さ制限が必ず定められる。

原則 10m・12mのうち 都市計画で定めた建築物の高さの最高限度を超えてはいけない。


外壁の後退距離(54条)

低層住居専用地域や田園住居専用地域内では 必要があれば都市計画によって

建築物の外壁またはこれに代わる柱の面から 敷地境界線までの距離を 1.5m・1.0mと定める


建築物の高さの規制

斜線制限とは 斜線を引き その斜線を超えないように建築物を造るという制限のこと。

なお 建築物の敷地が制限の異なる2以上の地域等にわたる場合は 建築物の各部分の地域等の斜線制限による。

日影規制とは 近隣の敷地の日当たりを確保するために 一定の時間は近隣の土地に日影を生じさせるという制限


防火地域・準防火地域

建築物の規制

防火地域 ・ 準防火地域内にある建築物は

a、その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸等の政令で定める防火設備を設ける。

防火レベル 法令上の制限

b、壁・柱・床などの建築物の部分やその防火設備を

延焼防止性能に関して防火地域および準防火地域の別、

建築物の規模に応じて政令で定めた技術的基準に適合するもので

国土交通大臣の定めた構造方法または認定を受けたものとしなければならない


耐火レベル 法令上の制限

防火地域等の内外にわたる場合 法令上の制限


建築確認 ~建築基準法を守ってもらうため~

建築確認の要否 ・ 建築確認を必要とする建築物

全国どこでも建築物について 新築、増築、改築、移転、大規模な修繕、模様替え、用途変更などをする場合 原則として 建築主は 建築主事に 建築確認を受ける必要がある


建築確認の手続 ・ 建築確認申請から使用開始まで

計画・設計 ⇒ 建築主による建築確認の申請 ⇒

7日か35日以内に ⇒ 確認済証の交付 ・ 建築主事の確認 ⇒

工事着手 ⇒ 工事完了 ⇒

4日以内に 工事完了検査の申請 ⇒

7日以内に 検査と検査証の交付 ⇒ 使用開始



建築協定 ~みんなで決める建築の基準~

建築協定とは 建築基準法上では許させれていることであっても 地域の住民が集まって 自ら建築基準法より厳しい制限を課すこと。


建築協定の内容

建築協定で規制できるのは 敷地 位置 構造 用途 形態 意匠 建築設備に関する基準


建築協定の締結

その地域の土地所有者や借地権者全員の合意が必要


建築協定の変更・廃止

変更する場合は 全員の合意。 廃止の場合は 過半数の合意。



法令上の制限

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